笑顔で人生まるもうけ
私には、一つだけ自慢できることがあります。
それは、いつも笑顔でいることです。
私が笑顔でいるということに気づかされたのは、小学校6年生の時です。
卒業式の日、校長先生から卒業証書を一人づつ授与されるのですが、校長先生はそれぞれの生徒に言葉をくださったのです(田舎ですから、一クラスしかありませんでした)
私の番になり、どんな言葉をいただけるんだろう、と少し緊張気味に壇上に立ったのを覚えています。そして校長先生は
「いつもニコニコとされていましたね、これからもその笑顔を絶やさないでいてください」
と笑顔で言ってくださったのです。その時の私は、嬉しかったのですが、「へぇ~、そうなんだぁ」ぐらいにしか思っていませんでした。
その後中学生になり、高校生になり、思春期もてつだって次第に笑顔は少なくなっていったように思います。
ちなみに私は、超がつくほど馬鹿正直でした。
良寛さんが喧嘩の仲裁に入った時に、それぞれの言い分を一語一句相手に伝えて、なおこじらせてしまったという逸話があります。
それほどまでではありませんが、私はそれに近いものがあったように思います。それ故、少し舐められると言うか、小ばかにされる時がありました。もちろん私はそれを肌で感じていましたが、それでも生来の能天気さもあって、皆とは喧嘩もなく、笑顔で上手く人間関係を築けていたと思います。
社会人になり、結婚し、ついでに言えば離婚もしました(ここが馬鹿正直なところです)笑顔のことはどうだったか記憶にはありませんが。
人生の荒波にもまれて迎えた後年に、ある人と出会いました。
人生の師とでも申しましょうか、その方に
「笑顔が素敵ですよ」
と言われました。その時の私は多分自分に自信がもてなかったんだと思います。
その言葉に救われ、私はまだ笑顔を忘れてはいなかったんだ、と思い起こすことができました。
それからの私は、笑顔を 意識するようになりました。
「チャーミングな笑顔ですね」
「その笑顔に癒されます」
と次第に様々な人たちから声をかけられるようになりました。
笑顔は人との壁をなくし調和を生み出す
最高のアイテムです。この笑顔によっても、私は人生の壁を穏やかに超えることができたように思います。